鬼と私の攻防戦から始まる序章

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やれやれといったような呆れた顔で、彼はもう片方の手で書類を持つと、また私を見た。 「お前、昼休み中だろうが! とろいんだから、さっさと飯を食いに行かねえと時間が無くなるぞ!」 「は、はいいっ」 慌てて今度こそお弁当を食べるべく外に出て行きながら、私は胸の内でそっと呟いた。 相変わらず、わかりにくい人だなあ。 4年前と、一緒だ。 きっと彼は、私の事なんて覚えてもないだろうけど。
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