過去の彼の視点1

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女に縋りつかれている男は、これまたお似合いのチャラい見た目。 好きなだけいちゃついて、そして別れちまえばいいんだ。 ただし、俺の視界に入らないところでやってくれ。 男は女の首筋に指を這わせ、女はくすぐったそうに身をよじっている。 公共の場で迷惑な。 眉間にしわが寄るのを感じながら、他の席に移ろうとテキストを閉じて立ち上がった時だった。 一瞬だけ、女と目が合った。 ん? よく見ると派手なメイクがなじんでいない幼い顔立ちの女は、媚びるような態度とは裏腹に、何か必死な色を目に浮かべていた。 何だ? 変な女だな。 興味をひかれたのはわずかな間。 俺はすぐに目をそらしたし、彼女も何も行動は起こさなかった。 それだけのことで終わると思っていた。 が、翌週もそのバカップルは同じところに来た。 先に来ていた俺は、奴らが視界に入らないようにと、他の席に移って背中を向けた。 が、耳には入ってきてしまううざい会話。

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