第6話 波乱の予感

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第6話 波乱の予感

亜生君が、私を好き。 もちろん、家族としての好きだって分かっている。 でも、その事実を知って、一番動揺しているのは、私かもしれない。 「ふぅー、ただいま。」 買い物の袋を玄関に置くと、亜生君がやってきた。 「お帰り。」 「ただいま。」 なんだか緊張しちゃう。 「今日のメニューは何?」 「あっ、ロールキャベツ……」 「ハンバーグじゃないんだ。」 そう言うと亜生君は、買い物の袋を持って、スタスタとキッチンへ行く。 「あの……」 何を言おうとしたのか、呼び止めてしまった。 クルッと振り返った亜生君は、ドキッとするくらい、カッコいい。 「なに?」 「あっ、ううん……」 「あっ、そう。」 そして亜生君は、またスタスタ歩いて行く。
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