第1話 プロポーズ

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「壮真のお母さんって、どんな人?」 私は嬉しくて、勝手に気さくなお母さんを、想像していた。 「……俺、母親いないんだ。」 「えっ?そうなの?」 「父親もいない。」 言葉が出なかった。 両親ともいないなんて。 「その代り、弟が一人いる。」 「いくつなの?」 「まだ高校生。」 10歳も歳の離れた兄弟がいるなんて、結婚するのに初めて聞いた。 「どうして、今まで言ってくれなかったの?」 「引かれると思ってね。」 私は、言葉を失った。 そんなに、信頼されてないのかな。 でも、今言ってくれたって事は、結婚相手として信用されてるって事だよね。 「そこで、一つ提案があるんだ。」
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