第1話 プロポーズ

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「うん……」 結婚しようって言ってくれた彼に、応えたい。 「結婚したら……」 「結婚したら?」 「弟も、一緒に住まわせて欲しいんだ。」 私は目をパチクリさせた。 「新婚は、二人きりじゃないの?」 「ごめん。弟は今年受験生なんだ。余計な心配はさせたくない。」 「そ、そうだよね。」 私はサイドの髪を、耳にかけた。 まだ高校生だもの。 一人で住むのは、さすがに心配だよね。 「うん、いいよ。」 壮真が安心したようにほっとする。 「ありがとう。」 「ううん。」 私は、彼が心配しないように、笑顔を作った。
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