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「あのね、亜生君。」
ちょっと声が上ずった。
「なに?」
亜生君は、水を飲みたいらしく、キッチンでコップに水を汲んでいる。
「昨日……一緒にいた人って、彼女?」
「はあ?見たの?」
「見たって言うか、目に飛び込んできたって言うか。」
悪気はない。そう、悪気はないんだ。
「彼女じゃないよ。って言うか、前彼女いないって、言わなかった?」
「ごめん。そうだよね。あんな年上の人……ねえ。」
すると亜生君は、コップの水を一気に飲み干した。
「セフレだよ。」
「セフレ?前にいるって、言ってたけど、あの人がそうなの?」
「そう。」
息をごくんと飲んだ。
だって亜生君、怖い目で私を見ているんだもん。
「年上で悪かったな。」
「えっ?」
「どうせ結菜の事だから、セフレって言っても、同級生の軽い女だと思ってたんだろう。」
いや、そうだけど。
しかも、名前呼び捨てって。
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