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「事情?」
あれだけ気乗りしなかった壮真が、急にやる気になるなんて。
どんな事情なんだろう。
その答えは、翌朝に持ち越された。
「なんだよ!口出すなよ!」
私は、その大きな声に、キッチンから身を乗り出した。
廊下を見ると、壮真が亜生君の腕を掴んでいる。
「これが口を出さずにいられるか!」
亜生君に甘い壮真が、怒っている。
「真央美に手を出すなんて、おまえ神経が腐っているのか!?」
なに!?真央美さんの事で、言い合いになっているの?
私は再び、キッチンに隠れた。
「真央美さんだって、理解してくれているんだ。俺達の事だろ!?邪魔するなよ!?」
するとバチンッと、大きな音がした。
慌てて廊下を見ると、壮真が亜生君を叩いたのだ。
亜生君は黙って、壮真を睨みつける。
これはやばい。
私は壮真の元に駆け付けた。
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