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「ちょっと、どうしたの?朝から殴り合いなんて。」
「俺は殴ってないよ。」
亜生君は低い声で、まだ壮真を睨みつけている。
「おまえ、兄貴に言ったのかよ。」
「えっ……」
今度は、私が睨まれる。
「結菜は関係ない。俺の方を向け。」
壮真は亜生君の胸ぐらをつかむ。
「壮真。急にどうしたの?」
私は亜生君から、壮真の腕を放した。
「昨日まであんな、興味なさそうな感じだったじゃない。」
「昨日まではな。相手が真央美なら、話は別だ。」
そして亜生君は、再び壮真を睨みつける。
仲のいい兄弟をここまでさせる真央美さんって、一体何者!?
「真央美さんって、誰なの?亜生君のただのセフレじゃないの?」
「そんなふうに言うな!」
壮真は私にも、大きな声を出した。
「真央美は……真央美は……」
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