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第4話 戻ってきて
その日、亜生君は家を出たきり、帰って来なかった。
「どこに行ったのかな。」
私は時計の針が夜の12時を過ぎても、リビングで待っていた。
「大丈夫だよ、亜生は。施設にいた時も、帰らなかった事があるらしい。」
「その間、誰と一緒にいるの?」
私は亜生君を心配しない壮真が、家族思いなのか、疑問になってきた。
「もしかしたら、真央美のところじゃないか?」
「真央美さん……」
2人にとって、大事な人だという真央美さん。
十分に考えられる。
「明日、俺から真央美に電話してみる。」
「うん。」
「だから、寝よう。」
私が立ち上がると、壮真は後ろから抱きしめてきた。
「亜生がいないと、興奮するな。」
「どう言う事?」
「変な意味じゃないよ。セックスが盛り上がるって事。」
私は、壮真の腕を引き離した。
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