第4話 戻ってきて

1/15
前へ
/78ページ
次へ

第4話 戻ってきて

その日、亜生君は家を出たきり、帰って来なかった。 「どこに行ったのかな。」 私は時計の針が夜の12時を過ぎても、リビングで待っていた。 「大丈夫だよ、亜生は。施設にいた時も、帰らなかった事があるらしい。」 「その間、誰と一緒にいるの?」 私は亜生君を心配しない壮真が、家族思いなのか、疑問になってきた。 「もしかしたら、真央美のところじゃないか?」 「真央美さん……」 2人にとって、大事な人だという真央美さん。 十分に考えられる。 「明日、俺から真央美に電話してみる。」 「うん。」 「だから、寝よう。」 私が立ち上がると、壮真は後ろから抱きしめてきた。 「亜生がいないと、興奮するな。」 「どう言う事?」 「変な意味じゃないよ。セックスが盛り上がるって事。」 私は、壮真の腕を引き離した。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加