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そして1時頃、私はベッドに入った。
壮真は私を心配して、後ろから抱き寄せてくれた。
壮真は、いつもそう。
私を心配すると、何も言わずに、後ろから抱きしめてくれる。
「壮真。亜生君は、抱きしめてくれる人、いるのかな。」
「さあな。真央美は、そういうタイプの人間じゃないから。」
私は、思わず振り返った。
「そういうタイプじゃないって?」
「人とどう接していいか、分からないんだよ。真央美は、ネグレクトで施設に来たから。」
「……親御さんに、捨てられたのね。」
「だから、人に一気に近づいて、捨てられるのが怖いんだ。」
目に、涙が溢れる。
「可哀相な人なのね。」
「ある意味な。自分のせいでもないんだけど。」
そんな真央美さんと一緒にいる亜生君は、一体どんな気持ちなんだろう。
「もしかしたら、そういう部分、亜生と似ているから、一緒にいて楽なのかな。」
一緒にいて楽。
傷つくのが怖い人と、身体の関係を持って、楽だなんて。
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