121人が本棚に入れています
本棚に追加
いつの間にか壮真は、スースーッと寝息を立てていた。
時間は1時半。
明日仕事がある人は、寝なければならない時間だ。
私も仕事を持つ人間だ。
でも、眠れない。
亜生君が心配で眠れない。
こんな気持ちは、初めて。
誰かを心配して眠れないなんて、初めてだ。
私は、もう亜生君の事、家族だと思っているのかもしれない。
そうでなかったら、この気持ちは……
私は胸を押さえた。
不安が募って行く。
もしかしたら、今の時間に帰ってくるかもしれない。
壮真に気づかれないように、ベッドを出た。
寝室を出ると、玄関の脇に腰を降ろした。
そうだよ。
きっと、やべえ、遅くなったって言って、そっと帰ってくるつもりだよ。
そう思いながら私は、その場でウトウトし始めた。
最初のコメントを投稿しよう!