第4話 戻ってきて

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しかし、翌朝になっても、亜生君は帰って来なかった。 「結菜。」 廊下に丸まって寝ているのを、壮真に発見され、起こされた。 「亜生の事、ここで待ってたのか。」 私はうんと頷いた。 「亜生は、真央美の家にいるよ。」 「電話したの?」 私は立ち上がった。 「いや、電話はしていないけれど、きっとそうだよ。」 壮真はキッチンに行くと、要領よくコーヒーを入れた。 「はい。これ飲んで、目覚まして。」 「ありがとう。」 壮真が淹れてくれたコーヒーは、ブラックなのに甘かった。 きっと、壮真の優しさが入っているからに、違いない。 「亜生は何かあると、真央美のところに行くから、今回もきっとそうだって。結菜が心配しているから、今日は帰って来いって、後で電話する。」 「うん。」 一晩中、亜生君の事ばかり、考えていた。
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