第4話 戻ってきて

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「あのね……家出、した事ある?」 「あるある。私、結構家出率半端じゃなかったから。」 私は同僚の顔を見た。 「家出している時に、どこにいるの?」 「ん?友達の家。友達のお母さんも、事情知ってたし。」 「……どうして、家出してたの?」 「そうだな。一番は、家族とそりが合わなかったからかな。」 家族と…… 壮真と私を睨んでいた亜生君。 もう一緒に暮らしたくないって、思っていたんだろうか。 「もしかして、旦那さん……」 「ううん、違うの。実は、旦那の弟も一緒に暮らしていて。」 「ああ、弟さんの方が、帰って来ないの?」 「うん。」 同僚は、周りをキョロキョロ見ると、小さい声で答えた。 「却ってよかったんじゃない?新婚にコブはいらないよ。」 「でも、その子……行く場所が無くて……あっ、いや、あるんだけど、女の人のところなのよ。」 「それでも、居る場所があるだけマシよ。家出しても行く場所がなくて、知らない人の家を転々とする人もいるんだから。」 「そうね。」
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