121人が本棚に入れています
本棚に追加
真央美さんがいるだけマシ。
私はその同僚の話を聞いて、少しは気が楽になった。
そして仕事の帰り道、『今日は帰ってくるように言うから。』という壮真の言葉を信じて、亜生君の好きなハンバーグの材料を用意した。
「ただいま。」
玄関を見ると、壮真はもう帰っていたようだ。
「壮真?」
亜生君もいる?
期待しながら、リビングを覗いた。
「ああ、お帰り。」
残念ながらそこには、亜生君の姿はなかった。
「結菜。亜生の事なんだけど……」
「なに?」
「しばらく、帰って来ないらしいんだ。」
私はキッチンに、エコバッグを置いて、固まった。
「理由を聞いても、言わないし。でも、あいつは一人じゃないから、」
私は、そのまま家を飛び出した。
「おい、結菜!」
後ろから壮真の声が聞こえる。
最初のコメントを投稿しよう!