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「私、何かしました?」
「いえ。すみません、急いでいるものですから。」
私はもういいやと思って、亜生君の腕を掴んだ。
「おい、何するんだよ。」
「亜生君には、帰る家があるでしょ!」
すると亜生君は、真央美さんに助けを求めた。
「いいじゃない。帰りなさいよ。」
「真央美!」
「私だって、急に家に転がり来られて、迷惑だったんだから。」
真央美さんのその一言に、私はカッとなった。
「迷惑って、何ですか?」
「えっ?」
「少なくても亜生君は、あなたを頼りにしているんですよ?それを迷惑だなんて、彼の気持ち、考えた事あるんですか!」
まるで本当の姉のように、言ってしまった。
そうだ、私は。
幼馴染みだから、同じ施設で育った人だからって、亜生君に気軽に手を出した、この人が嫌いだ。
「壮真だって、あなたの家にいるから、亜生は大丈夫だって。そこまで信用されているんですよ?」
私は、真央美さんの目の前に立った。
「今の言葉、撤回してください。」
私は真央美さんを睨んだ。
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