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「他には?」
「ああ、じゃあ鍋に水を入れてくれる?」
「OK。」
言うと、これまた手慣れた手つきでやってくれるから、もしかしてこの家の主婦は、私ではなく亜生君なのか?と錯覚してしまう。
「何作るの?」
「ああ、えっと……野菜炒め。」
ただ有り余った野菜を、切って炒めるだけ。
もしかして、手抜きだと思われている?
「野菜炒めいいよな。俺、好きだよ。」
野菜を切る手が止まる。
「どうした?」
「いや、なんか亜生君、最近優しいなって思って。」
「さっきも言ってたな。」
「余計に思ったんだよ。」
なぜ急にそうなったのかは、分からない。
「この水を入れた鍋は?」
「お味噌汁作ろうと思って。」
「じゃあ、俺味噌汁作るよ。」
そう言うと、冷蔵庫を開ける亜生君。
「具材だったら、出してある野菜から……」
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