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「なんか結菜と亜生、そうやっていると、本当の姉弟みたいに見えるな。」
「そう?」
私と亜生君が顔を見合わせると、ふふふと笑う。
よかった、亜生君が笑ってくれて。
「おっ、お湯湧いた。豆腐入れよう。」
「だったら私は、隣で野菜炒めるね。」
隣同士に立って、私は次々に具材を入れていく。
すると壮真が、キッチンに入って来た。
「俺も手伝おうか。」
「疲れているんだから、待っていれば?」
親切のつもりで言ったはずなんだけど、壮真は私と亜生君の間に立って、チラチラ見てくる。
「落ち着かないなぁ、兄貴がいると。」
「ほら、亜生。お味噌汁。」
「分かってるよ、今、味噌入れるよ。」
キッチンでも、兄弟わちゃわちゃしている事に、和やかな雰囲気を感じる。
「よし。結菜さん、味見して。」
「どれどれ?」
私がお味噌汁を味見していると、また壮真が覗いてくる。
「どうしたの?壮真。」
「ん?いや、俺だけ一人ポツンといるの、嫌なんだよ。」
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