第6話 波乱の予感

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一体、何を聞きたかったんだろう。 家族として好きなんだと言う事は、もうとっくに聞いているのに。 着替えてキッチンに向かうと、既に亜生君が、キャベツの葉を向いていた。 「器用だね。」 そう言うと亜生君は、「全然。」と言っただけで、こっちを見てくれない。 「お湯は?沸かした?」 「あれね。」 既にお湯もスタンバイ。 「じゃあ私は、種を作ればいいか。」 「うん。任せる。」 私達はいつの間にやら、一緒にキッチンに立ち、料理をするのが当たり前になっていた。 右側に立つ亜生君を意識しているせいか、右側に神経が集中しているような気がする。 「なあ、おい。」 「えっ!」 私は亜生君の方を見る。 「いつまで肉、こねてるんだよ。」 「あっ……」 ボーっとしている内に、お肉はミンチ状になっている。 「次は、味付けね。」 塩、胡椒を振って、また肉を混ぜる。 私、いつの間にこんなに捏ねていたんだろう。
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