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不意に、視線を感じて後ろを向くと、壮真がリビングに立っていた。
「お帰りなさい。」
慌てて手を洗って、壮真のところに行った。
「ただいま。」
「声、掛けてくれればよかったのに。」
「二人が仲いいの見ていたら、声掛けられなかった。」
「えっ?」
私が笑って見せても、壮真は無表情だ。
「えっ……」
もしかして、本気で思っているの?
「ビール、飲もうかな。」
「うん……持ってくるから、壮真、座ってて。」
「いいよ。二人で仲良く、料理作ってればいい。」
そう言って壮真は、スーッと私の横を素通りし、冷蔵庫へ向かった。
なんか、ムカつく。
その言い方。
「結菜さん、この肉もう巻いてもいいの?」
「あっ、うん。」
亜生君の一言で、私はキッチンに戻った。
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