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その時のイラっとした感じは、夕食を食べても晴れなくて。
シャワーを浴びている時も、何だか気になって、ボーっとしてしまった。
「結菜、入るよ。」
そう言って壮真が、お風呂に入って来た。
なんだか、気まずい。
「俺にもシャワー、浴びさせて。」
「はい。」
シャワーヘッドを壮真に渡すと、私は湯船に浸かった。
「今日の事、まだ怒っているのか?」
「ん?」
私はわざと知らない振りをした。
すると壮真も、湯船の中に入る。
「悪気はないんだよ。ただの嫉妬。」
「嫉妬?」
驚いた。
壮真からそんな言葉が出てくるなんて、思ってなかったから。
「俺だって、嫉妬するよ。しかも相手が自分の弟だって事は、認めたくないし。」
胸が締め付けられた。
壮真も、ただの男なんだ。
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