第6話 波乱の予感

4/10
前へ
/78ページ
次へ
その時のイラっとした感じは、夕食を食べても晴れなくて。 シャワーを浴びている時も、何だか気になって、ボーっとしてしまった。 「結菜、入るよ。」 そう言って壮真が、お風呂に入って来た。 なんだか、気まずい。 「俺にもシャワー、浴びさせて。」 「はい。」 シャワーヘッドを壮真に渡すと、私は湯船に浸かった。 「今日の事、まだ怒っているのか?」 「ん?」 私はわざと知らない振りをした。 すると壮真も、湯船の中に入る。 「悪気はないんだよ。ただの嫉妬。」 「嫉妬?」 驚いた。 壮真からそんな言葉が出てくるなんて、思ってなかったから。 「俺だって、嫉妬するよ。しかも相手が自分の弟だって事は、認めたくないし。」 胸が締め付けられた。 壮真も、ただの男なんだ。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

123人が本棚に入れています
本棚に追加