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その夜。
拓「……」
上坂拓実は暗い部屋で1人立ち尽くしていた。
彼は小学生の頃に住んでいた一軒家に居座っていた。
現在は空き家となっており、周りも閑散としていた。
拓「……」
拓実は目を閉じ、昔を思い出していた。
思い出されるのは高校生の頃の自分。
母親と父親、そして弟との楽しい生活。
高校に入学したばかりの頃、弟がお年玉を使って買ってくれたボールペン。
とっくにインクは出なくなったが、今でも肌身離さず持ち歩いている。
拓「……」
拓実は昔自分が使っていた部屋に向かった。
ガチャ。
扉を開けると、そこには写真が当たり一面に貼り付けられていた。
拓「……」
拓実は手に持っていたボールペンを握り締めた。
その目は復讐に燃えていた。
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