上坂拓実

2/2
前へ
/176ページ
次へ
その夜。 拓「……」 上坂拓実は暗い部屋で1人立ち尽くしていた。 彼は小学生の頃に住んでいた一軒家に居座っていた。 現在は空き家となっており、周りも閑散としていた。 拓「……」 拓実は目を閉じ、昔を思い出していた。 思い出されるのは高校生の頃の自分。 母親と父親、そして弟との楽しい生活。 高校に入学したばかりの頃、弟がお年玉を使って買ってくれたボールペン。 とっくにインクは出なくなったが、今でも肌身離さず持ち歩いている。 拓「……」 拓実は昔自分が使っていた部屋に向かった。 ガチャ。 扉を開けると、そこには写真が当たり一面に貼り付けられていた。 拓「……」 拓実は手に持っていたボールペンを握り締めた。 その目は復讐に燃えていた。
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加