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美「ハァ……ハァ……」 朝早く、浩一は例の喫茶店に向かって走っていた。 チリン。 店に着いた浩一は急いでドアを開けた。 マ「いらっしゃいませ」 浩一は軽く挨拶すると目的の人物を探した。 その人物は腕を組み深刻な顔をしていた。 美「卯野崎」 卯「美濃部。悪いな朝早くに」 美「それは良い。それより、笠井が亡くなったっていうのは本当か?」 卯「あぁ。部下から連絡が来た。損傷が激しかったが、体格や近くにあいつの保険証が入った財布が落ちてた。家には居なかったし、多分間違いないと思う。後はDNAとか、あいつの歯形とかが分かれば直ぐに身元が割れるはずだ」 美「損傷が激しいって、そんなひどいのか?」 卯「……聞いた話じゃ、丸焦げだったらしい」 美「……」 卯「昨日、笠井は見張っていた警察にバレないように家を出たらしい。しかも、母親にすら何も告げずに」 美「あいつ、何だってそんなことを……」 卯「さぁな。しかし、その結果あいつは死ぬことになった。誰にも知られることなく」 美「……実は、笠井のことで気になることがあるんだ」 卯「気になること?」 美「調査の過程で知ったんだけど、あの付近で最近、放火事件が相次いでるらしいんだ」 卯「放火?」 美「あぁ。燃やされてるのはゴミ捨て場や家の庭木とかで怪我人とかは出てないんだけど」 卯「その放火がどうかしたのか?」 美「目撃者の話では、笠井に似た体格の人物が度々現場付近で目撃されてるらしいんだ」 卯「……笠井ならやりかねないか。あいつのことをもっと調べる必要があるな」 美「……残るは小久貫一真か。あんまりのんびりはしてられないな」 卯「あぁ。早く『赤マント』を止めないと」 美「七咲に連絡してくる」 浩一は席を立った。 卯「絶対に止める。姫愛は絶対に死なせない」 俊介は心に強く誓った。
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