小久貫邸

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ドアを開けた一真は下を見た。 そこには、先ほどの動画と同じカーペットが映っていた。 一「……」 良く見ると、カーペットに赤黒い染みのようなものが付いていた。 一「まさか、血?」 その染みは点々と続いていた。 一「……」 一真はその染みを追ってゆっくりと歩きだした。 歩いても歩いても染みは続いていた。 距離にしたら100mもない。 だが、一真にはとても長く感じられた。 一「何処まで続いてんだよ……」 見ると、その染みはリビングまで続いていた。 一「……」 一真は恐る恐るリビングへ向かった。 リビングに入った一真は周りをキョロキョロと見た。 中には誰もいなかった。 一真は奥へ奥へと入っていく。 一「何で誰も居ないんだ? 父さんも家に居るはずなのに……」 周りを見るが宗一郎の姿はない。 それどころか人の気配すら感じなかった。 一「っ!?」 一真は足を止めた。 見ると、そこには血が広がっていた。 死体はなかったが、その血の量は尋常ではなかった。 一「何だよこれ……」 一真は恐怖から後ずさった。 一「!?」 ふと、後ろから気配を感じた一真は振り返った。 そこには『赤マント』が立っていた。 『赤マント』は躊躇いなく鎌を振り下ろした。 ザシュ。 ブシュー……。
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