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女1「ねぇ!! 見た昨日のニュース!!」
女2「ニュースって『赤マント』のやつ?」
女3「見た見た!! これで3人目だって!! 怖いよね~」
教室内はザワついていた。
ガララ。
?「は~い、皆席ついて~」
女1「あっ!! 姫ちゃん!!」
教室に入ってきたのは、担任の雪嶋姫愛(ゆきしまひより)。
可愛さがあり、誰にでも笑顔で接し、男女問わず人気がある女性である。
女1「姫ちゃん聞いた!?『赤マント』の話!!」
姫「赤マントってあの都市伝説の?」
女3「そっ!! 3人目の犠牲者が出たんだって!!」
女1「現場近くで度々目撃されてるんだって!! 赤いマントに赤い帽子被った仮面の人が!!」
女3「『赤マントが出た!!』ってこの辺じゃ騒ぎになってるんだよ? ヤバくない!?」
姫「もう、何言ってるの。赤マントなんて居るわけないじゃない。きっとどこかの変質者よ」
女1、3「え~」
姫「ほら!! 早く席着いて。授業始めるよ」
姫愛がそう言うと、女子たちは渋々自分の席に戻った。
姫「(赤マントかぁ…。まだそんな変な都市伝説が広まってるんだ。)」
姫愛はそんなことを思いながら、ゆっくりと教科書を開いた。
パラッ……。
その頃、玲穏は保健室でゆっくり本を読んでいた。
内容は世の中の都市伝説に着いて書かれたものだ。
玲穏はこういった話を良く読んでいる。
窓の外を見ると、昼休みということもありたくさんの生徒が身体を動かしたりしていた。
音「……」
ガララ。
?「玲穏~。遊びに来たよ~」
音「……ハァ」
玲穏は小さく息を吐いた。
入ってきたのは、玲穏と同じクラスメイトの倉野美南子(くらのみなこ)だった。
美南子も玲穏と同じ自傷癖があり、たまに保健室に通っている。
美「何読んでるの?」
音「……」
玲穏は黙って本の表紙を見せた。
美「……それ面白い?」
音「あなたと話してるより面白い」
美「もう~、つれないなぁ~」
美南子はそう言いながら近くの椅子に腰かけた。
笑顔で玲穏を見ている。
音「……気が散るんだけど」
美「私のことは気にしないで。静かにしてるから」
音「……ハァ」
玲穏はため息をつくと再び本に目を落とした。
30分後、翼が帰ってくるまでこの状態が続いていた。
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