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好きの意味を知った瞬間、底のない愛に溺れていく。
愛を育むホテル、そう言えば聞こえが良いだろう。けれど、無理やり連れ込んだ女は泣くばかりで、一向に愛を育もうとはしない。
「俺が嫌いか?」
俺が問うと、真下にいる女は正直にこくりと頷く。
胸が傷んだ。それと同時に、めちゃくちゃにしてやりたい衝動に駆り立てられる。
やめて、と泣き叫ぶ口を唇で塞ぎ、白いアウターシャツを一気に剥ぎ取る。
露になったインナーを捲り上げれば、限界まで育った胸が姿を現した。黒い帽子を被ったそれは、俺を誘っているようにしか見えない。
「やめてください! 警察を呼びますよ!」
「優里、俺がそんなものに怯えると思うか?」
唇を離して聞き返すと、優里は黙り込んだ。
藤代組若頭 浅井勇樹、それが俺だ。俗にいう暴力団の俺には怖いものなんてない──はずだった。
今では、優里を失うことに恐怖を抱いている。他の男に取られるくらいなら、壊れるまで俺が愛し続けたい。それが狂った愛だと知らず、また愛されることはないことも知らず。
慣れた手付きでホックを外して胸を自由に。綺麗な色をした乳房は、彼女が汚れていない事を証明している。
優里が欲しい。優里の全てが欲しい。桃色の乳房にスーッと舌を這わす。足跡を残すかのように、唾液が肌に染み込む。
優里の呼吸が一瞬だけ乱れた。それが楽しくて、舌で乳房を転がす。
「あ……ああっ」
嫌だ嫌だと口では言うが、身体は正直なもので俺を求めている。
それが勘違いだとも知らずに、俺は優里の反応を楽しむ。
「何をして欲しいか言ってみろ」
今までの女は決まってこう言っていた。「俺が欲しい」と。
「何もいらないから、家に帰して──」
しかし、優里は他の女達とは違う。綺麗なダークブラウンの瞳は俺を見ておらず、ふっくらとした唇を動かし、他に好きな人がいると答えた。
腹が立った。なぜ俺のものになろうとしないのか。気付いたら、優里を殴っていた。
鈍い音がした後、彼女の口角から血が。一筋の赤い線は、ポタリポタリと白いシーツに染みを作った。
「俺が愛してやってるんだから、他の男を好きになることは絶対に許さん」
吐き捨てるように言うと、俺は優里の足へと手を伸ばした。
白い肌にゴツゴツとした指を這わす。長いスカートを捲り上げ、指は股へと移動。薄い布地の上から割れ目をなぞれば、ピクンピクンと優里の身体が反応した。
すると、突然優里が暴れ始めた。泣き叫ぶ彼女は、我を忘れてしまっている。俺は近くにあったスーツの上着から拳銃を取り出し、
「それ以上騒ぐなら殺す」
と言って、それを構えた。銃口はしっかりと優里を捕らえている。しかし、撃鉄は引いていない。
「殺されたくないなら、大人しくしてろ」
拳銃の先で、股にある割れ目をなぞる。銃口を這わせれば這わすほど、彼女のショーツに染みが出来る 。
汚いだとか綺麗だとかどうでも良い。綺麗なものだって、いつかは汚れるものだ。
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