第三章 いつもの日常

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第三章 いつもの日常

「・・・よーっし、今日もやるかー」 そう言って俺は、店の戸を開き、折りたたみ式の看板を地面に刺し込む。ちなみにこの折りたたみ式の看板は、俺の手作り。 森に行って適当な木を撮って、形を整えて文字を掘る。それだけでも数週間は時間が潰せた。 ちなみに、看板に描かれた絵は、子供達が描いてくれた。俺は絵に自信がなかったから、子供達に任せたら、思いの外良い仕上がりになった。 特に俺の似顔絵なんて、本当にそっくりでびっくりした。いつも俺が身につけているイヤリングですら、きっちり描かれている。 このイヤリングも、俺の手作り。余った金属と木の枝を加工して作った。 俺の手先が器用なのは、父親譲り。父はよく俺に、色々な物の作り方を教えてくれた。その仕組みさえ理解できれば、組み立てるのも解体するのも簡単。 よく俺に、農具やらの修理を頼む村人も多い。本業ではないんだけど、まぁ頼りにされているわけだし、断るわけにもいかないから。 ちなみに今日は、頼まれたタンスを完成させるのが目標。一応この村に大工はいるんだけど、今は別の仕事で手が混んでいる。 材料は揃えてもらったから、俺は組み立てるだけ。後は強度を確認して、弱い部分を補強すれば終わり。 俺は組み立てたタンスを一旦外に出して、工具を取り出す。 「おにーちゃん、おはよー」 「おぉ、おはよ  危ないから下がってろよ」 「おにーちゃん、今日忙しいの?  ママからお使い頼まれてるの」 「おー、何が欲しいんだ?」 「ホウキがね、折れちゃったの」
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