第三章 いつもの日常

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「おはよー、エルバ君  この前薬ありがとな。もう閉店してたのに、わざわざ持って来てもらってす  まなかった」 「いえいえ、それよりもう大丈夫なんですか?」 「あぁ、もうすっかり良くなったよ  それでさ、この干し肉、その時のお礼だ」 猟師の人が持って来たのは、鳥を丸々乾燥させた干し肉。俺はありがたく受け取る事にした。 干し肉は保存食にもなるし、お茹で戻せば濃厚なスープにもなる。生の肉よりも重宝されている。 森の中にはモンスターの他にも、様々な野生動物が生息している。狩人はその野生動物を仕留め、村や町で売る。 ちなみに俺は、どちらかというと肉より魚派。でも別に肉が苦手というわけでもない。 もうすぐやってくる実りの季節、『アンハリフ』になれば、村にも町にも大量の食材が流通する。 でもアンリハフの次には、多くの作物や動物が長い眠りにつく『シダオン』がやって来る。 このシダオンに備え、食材などを多く貯蔵しておかないと、年が越せない。 でもまだシダオンには期間があるから、この干し肉は贅沢に食べようと思う。
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