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「まだまだ序の口。本気出しちゃうよ! 見よ、二刀流!」
「え!」
驚く亜美の声をよそに、近くにあった包丁を左手に持って、シャキン、と右手と左手で二刀流っぽいポーズをとった。それから、玉ねぎの右側と左側両端から刻んでいく。
ダダダダダダダッ! と鳴るまな板。ものの数秒でまな板に寝かせていた玉ねぎ二分の一個はスライスされた。さあ次だ。
同じ作業を続けていくと、大鍋用に四つ用意していた玉ねぎはすべて水を張ったボウルの中に収まった。
しかしここで問題だ。玉ねぎを切ると目が痛くなる。続けざまに四つも切ったら前なんて見れたものじゃない。
「目が、目がーっ」
両目を押さえてうめくと、亜美が大丈夫? と声をかけてきた。
「二刀流で高速切りとか無茶しすぎだよ」
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