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いつまで待てば良いのだろう?
こういう関係になってから、もう5年が経とうとしていた。
人目を気にする仲、誰にも言えない関係。
業務時間内は上司と部下。
平日のあなたはとても優しい。
誰よりも何よりも優先してくれる。
けれど、時間になれば まるでシンデレラのように
貴方は私に背を向け行ってしまう。
どんなに酔っていても。
どんなに激しく愛し合った後でも。
休日のあなたを私は知らない。
たまに携帯に電話すると、会社でも聞いたことがない
ビジネス用語が返って来る。
冷たい敬語。ビジネスライクな会話。
そこにあるのね、貴方の壊したくないものが。
いつまでこんな関係を続けていればいいの?
心を体をすり減らしながら、あなたを求め続ける日々。
今夜もほろ酔いのあなたが、私の腰に手を回し
「あとちょっとだけ、一緒に居よう……」
いつものように、人気のない暗がりを
夜に夢見る鳥のように灯りに向かって歩き出す。
その先にあるのは欲望を解放するだけの部屋。
「ねぇ、今度の週末、二人でどこか旅行しない?」
こんな闇の中でしか愛し合えない関係は終わらせて。
あなたの答え次第で未来は変わる。
本物の夢見鳥のように、ヒラヒラと光の中を舞う未来。
私は後ろ手にナイフを隠し持ちながら、ニッコリ笑った。
さぁ、あなたの答えは――?
カウントダウン、ハジメマシタ。
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