「夏恋慕」

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
ー10分後ー 「はぁ、やっと終わった。言葉選びも難しいもんだよな。こう毎回となると大儀だ。」 もう5時半、、、。荷物まとめるか。 時間にルーズな癖直した方がいいな。 我ながら思… 「わ!伊藤くんまだ残ってたんだ!」 この声は、、、 「笹野さん…」 《好きな人が目の前に現れてしまった。》 「教室にタオル忘れちゃって!……その紙、部活の?」 「え?あぁ、これ、そう、放送原稿。」 彼女が僕の文面を静かに読み始める。 …なんだか気恥しい。 「伊藤くんってさ綺麗な字書くね、文章もすごく大人びてて…さすが放送部の部長だね!」 褒められることに慣れてない僕はひっきりなしに紙を鷲掴み、鞄に押し込めてしまった。 「あっ、ごめんね、忙しい所…!」 いや、心臓の方が忙しい事になっている。 「あっ、いや、こっちこそ、ごめん。」 汗がタラタラと首筋を流れる。 「…じゃあ、部活戻るね!」 ピシャン。 「…無意識とはいえ今のは感じ悪かったか、。」 彼女はタオル片手にスタスタとグラウンドへ戻って行った。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!