序章 殺戮の夜

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序章 殺戮の夜

「あぅ……あぁ……ああ! 嫌、嫌!」 「いい声だ…さぁ、俺に許しを請うてみよ…! そうすれば、この手を止めてやってもいいのだぞ……!」 「……お……おゆ、るしください…、も、もう、やめて……!」  ……その夜、オルグはカーサを責め立てた。  あるときは力尽くで、あるときは声音で、野獣のようにカーサのか細い体を蹂躙した。彼女は抗うこともできず、ただ、喘ぎ、時に悲鳴を上げた。  快楽は全くそこに無かった。カーサはあまりの辛さに屈服した。シーツに血が飛び散り、にじむ。彼女は掴まれたままの黒髪を振り乱し懇願する。  しかし、それがさらにオルグの支配欲を刺激させた。最後に彼は寝台脇に、息も絶え絶えのカーサを無理矢理立たせ、カーテンに両手を縄で縛り付け拘束した。 「さあさあ、感じろ。王族に叛した罪の重さを、全身で!」  いままで以上に執拗なその責めに、たまらず、カーサは、二度三度と果て、遂に意識を失った。 「ふん……女など口ほどにも無い。いい風景だ」    頭を垂れ、ゆらゆらと揺れる傷だらけの肢体を見て、オルグはようやく満足しカーサの体を離した。
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