罪悪感

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俺は琉惺(りゅうせい)。 あと1時間で18歳になる。 今年は受験生だ。 自分の進路を変更しようと思っている。 そう思ったきっかけは、幼なじみの花音が亡くなってしまったことだ。 自分の選んだ道に進むことは、花音にはもうできないことだ。 だから…。 俺は自分が進みたい道に進むことをやめようと思っている。 花音は俺と一緒に、海で遊んでいた時に波に攫われた。 俺がついていたのに…。 俺が目を離したせいだ。 突然襲った大きな波に一瞬で攫われた。 波を被って、海面に顔を出せばもう…、花音はいなかった。 本当に一瞬だった。 大声で呼んでも返事がなくて…。 海に潜ってみても花音の姿は見えなくて…。 初めて海が怖いと感じた。 一瞬にして人が波に攫われる。 この日から俺の生活は変わった。 ずっと一緒だった花音がいないこの世界で、何もする気が起きず何年も生きてきた。 なぁ…花音。 元気にしているか? 俺のせいでごめんな? 俺のせいで…、花音の人生を奪ってしまってごめんな…。 未来ある花音の人生を奪ってごめん…。 俺が守るって約束したのに…。 ごめん…。 謝っても許されることじゃないし、許してもらおうとも思ってない。 でも…。 会いたい。 会って謝りたい。 会いに来てくれるか?
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