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腐った時の中で
小さい時の記憶が反映された夢を見た。縁日に連れて行かれ、見世物小屋のショーを見た時の衝撃は、今でも記憶にしっかりと刻まれている……。
あの独々な不気味の世界観は、私の記憶にしっかりと刻みこまれたままだ。
余りにも刺激的なワンナイトショーだった。あの時のショーに出演していたお姉さんは、今、何処で何をしているのだろうか……。
関係ないか……
時計を見てみる。
午前三時……。
何時の間に寝てしまったのだろう。シャワーを浴びるのも面倒だ。このまま寝よう。明日に期待する人生を送っている訳ではない。
私の名前は霞 里緒(かすみ りお)。現在、引き籠り中だ。原因は中学の時に酷い苛めに遭い、不登校になった。高校に進学して、リセット出来ると思っていたが、苛めは執念深くついて来た。
結局、高校も不登校になり、中退して、現在に至ると言う事だ。
私の今の状況について、母親は何も言わない。言える訳ないよね。本当に必要としていた時に、仕事に力を入れていて、私の事は放置していたような状態だったから。今になって、私とコミュニケーションを取ろうとしても、遅過ぎでしょう。
今度はこっちがシカトしてあげるよ。母とは平行線の状態が続いている。父は私が幼い頃に家を出て行った。それ以降、会った事はない。
正午近くになり、ようやくベッドから身体を起こす。重い身体を引き摺るかのように動かして、台所へと向かう。冷蔵庫の中の物を、適当に選び、レンジで温めて食べる。
食事が終わったら、自分の部屋に戻り、テレビのスイッチを入れる。自分は何もしていないのに、勝手に回っている世の中に感心をしながら、ゲーム機を繋ぐが、何度もプレイをしているゲームに飽きてしまっているのが事実だ。
つまらない……。
先が分かっている物を何度もやる気はない。内容を知り尽くしている、ドラマや映画を見ているようなものだ。
気だるさしか感じない午後の一時。毎日のことだけどね。こんな状態を続けていたら、これから先、どうなるのだろう。そんな不安が過ぎる時はあるけど、そんな事を考える時間は一瞬でしかない。
直ぐに自堕落の底なし沼の中へと、身を沈めてしまう。テレビ、ゲーム、ネット他に友達なんていやしない。
いつからこんな人間になってしまったのだろう……。
全ては苛めから始まった。
こうなった原因は苛めだよね。
苛めた奴らに復讐をしなければ気が済まないよね!
どうやって……。
頭の中で苛めた連中を叩きのめして、復讐は終了した。
毎日、やっている事……。
つまらな過ぎる……。
けど、これが私の求めた日々の実情。
無意味で同じ事を繰り返し続けるだけの日々。
眠くなってきたな……。
私はベッドの上に横たわる。
意識は直ぐに重くなってきた……。
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