腐った時の中で

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 深夜に見た夢と同じ夢を見て、身体がビクンと反応し飛び起きる。  窓から外を見てみる。薄暗くなり始めた景色。  今日も何時もと同じ感じで終わるのだ。これから夕食を取り、テレビ、ゲーム、ネットと戯れる。  乱雑とした部屋の中で、毎日、同じ事が繰り返されるのだ。自分だけが別の次元で、生き続けているような感覚になる。  連続した夢の内容が気にかかり出し、ネットで見世物小屋を検索してみる。  今でも続いていた事に驚く。  動画を見てみると、若い人達が色々な芸を行っていた。  幼い頃に見た、見世物小屋の雰囲気とはかなり変わっているような感じだ。全体的に明るい感じになっている。  私が見た時は、妖しくも美しいお姉さんのパフォーマンスを中心に、ステージが展開されていたが、今は、多くの人達が其々の芸で挑むことにより、おどろおどろしさよりも、派手なパフォーマンスによる華やかさと危険さを売りにしているように見てとれる。  もう、あのお姉さんの妖しくも耽美的な芸はみられないのか。  一抹の寂しさを覚えた。  もう一度、今の違う視点と感覚で見たかったな……。  見世物小屋の動画と画像の検索にも飽き、芸能ニュースの検索、ネットゲームへと移行していく。  堕落しきったルーティンに嵌っていくのだ。  変わりようがないのかもしれない。  最後は、ゴミ箱と化した部屋の中で、ミイラ化した状態で発見されるのかな。そんな自分の最後を想像していたら、笑えてきた。  自分にとっては、どうでも良いことだけどね。  既に腐り切っているしね。  ウジ虫の湧きまくった人間が復活する事なんてあり得ない。このまま終わりを迎えるだけの人生で構わない。  自暴自棄に陥っているのに、生に執着をしているのは何故なのだろう。  分からない……。  自殺をするだけの勇気がないから……。  頭の中では、何度も自殺を描いてはみたけど、実行に至った事は一度も無い。  こんな状態になっても、生きていたいのだ。  目的も無く、ただ屍のように生き続ける。  空っぽの人生観……。  考える事も、億劫になってきた。  もう寝ることにする。  つまらな過ぎる日常と人生を謳歌するしかないのだから……。
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