助けて

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助けて

 「おめぇ、そんなこと電話で済まそうとか思ってんじゃねぇぞ!!  一度こっちきて話をしろ!でないと家まで押しかけて、おめぇの親におめぇのやってる仕事のことも全部言うぞ!契約違反だから違約金50万も払ってもらうぞ!いいか!?」  祖母の葬儀が執り行われ。  いったん落ち着いた頃、私は店に電話をかけた。  店長にやめる旨を伝えたら、 「ちょっと待っとけ。社長に代わる」  と社長にタッチされた。 「まぁおめぇなんかいたって役にも立たねぇし、好きにしろ。ただな?一度店に来い。話はそれからだ」 「違約金の件もあっからな!」  そんな流れになり、なんとかしてもらえないか話してみたら、怒鳴られた。  店に電話をする際、ひとりでは怖いし、家で電話をしてあの女や妹にバレたら大変なので、叔母の家で自分の携帯を使って電話をかけた。  怖かったので、叔母に隣にいて手を握ってもらっていた。  その際のやり取りが音漏れしたのか、叔母が少し様子を把握していた。  それから電話は再度店長に代わり、 「お前。明日店に来い。社長と俺とで話をするからな」  と呟かれた。  電話を切り、私は涙目で叔母の方を向いた。叔母も動揺している。 「…大丈夫…じゃないよね……ひとまず落ち着いて?」  叔母はコップにお水を入れて渡してくれたので、飲み干した。  それから 「ね?叔父さんにも相談しよ?夜になると叔父さんも帰ってくるから、私から話しておくから」  叔父さんは、叔母さんの旦那さんで、私の父の弟に当たる。  私は何も言わずに頷いた。    夜。叔母から、「明日の13時に叔父も含めて3人で話をしましょう」という連絡が入った。
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