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事情
翌日。約束の時間に叔父叔母の家へ赴いて叔父叔母と会い、改めて事情を1から説明することになった。
ちなみに叔母には何の仕事をしていたか話してないので、叔父も私の今の仕事については知らないはずだ。
「まず、何があったのかゆっくりで良いから、説明してごらん?言いにくいなら、紙に書いて、でも良いから」
叔父に促され、私はゆっくり話し始める。
仕事がどれもうまく行かなくて、親に言えないバイトをしていること。
あの女にマインドコントロールされ続け、祖母に嫌われると思い込み、会いに行けなかったこと。
危篤の祖母を見て、そして親戚の優しさに触れて今のバイトを辞めることを決めたこと。
そして今、そこを辞める話で揉めていることを。
「仕事の契約書などの控えはもらってない?」
叔父が言った。
…そういえば。確かに入店時に署名捺印はしたけれど、その控えはもらった記憶がない。
それを告げると、次にどんな仕事なのか問われる。
もう隠し通せない、そう思った私は、
「言いにくいけど……風俗のバイトなの」
震える声でそう答えたーー……
怒られる。
怒られる。
怒られる。
しかし叔父は言った。
「家族みんなでご飯を食べたり、ってしてないの?」
意外な反応だった。
そうだーー……
あの女は妹の食事は作って妹と一緒に食事を摂るが、私の食事は作らない。
私が自分で作るのは構わないが、ただあの女は私が台所を借りるのを嫌がるので、私は家にあの女と妹がいない時に自分で作るか、適当に買ってきたものを食べていた。
それも伝えるとー……
「分かった。僕らが対応するよ」
そう話してくれた。
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