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蓼食う虫も好き好きと申しますが
「で、なんでまたこんな風になっているんだ?」
精霊様の力はすごかったあたり一帯の勢力図を塗り替えて、勲章を一体誰に渡すべきなのかという軍部のいざこざを巻き起こしつつこの場所での戦争を収めてしまった。
この国の周りではまだ火の手がいたるところにあるが、この戦線の有利な状態を使って後は大人達がどうにかするだろう。
俺の仕事は終わり。
友達も愛する人と学園に戻れる。
めでたしめでたしだ。
だから何故、軍の高級官僚向けの豪華な宿舎で精霊に押し倒されているのかが分からなかった。
一人学園の宿舎に戻って固すぎるパンをかじっている想定だったのだ。
軍部としてはこの精霊を手名付けたいのかもしれない。
契約の書き換えができる術者を呼び寄せているという話も聞いた。
それに反対する様子もなく飄々と過ごしていた様に見えた。
それが、どうしてこうなった。
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