第42話 帝都アルバニアⅡ

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 な、なにこの子超かわいぃ~! ヤバイよ! ほんとにアジェンテなの!?  アルバニア冒険者ギルド受付嬢のニーナは今年で20歳になる。職として安定した冒険者ギルドに勤めて2年になる彼女は、目の前に突如として現れた黒髪の少年に興奮していた。  切れ長の目に黒い瞳。短く切られた黒髪は整えられておらず、逆に飾らない良さがある。それに立ち居振る舞いも冒険者らしからぬ雰囲気があり、言葉遣いも丁寧ときた。  普段どちらかと言えば粗暴な冒険者ばかりを相手に仕事をしているニーナにとって、()()は荒野に突如として現れたオアシス。ニーナがこの職場で初めて抱いた感情は、仕方の無い事なのかも知れない。  この適職(登録できる職業)の数…ぜったい上位ランカー並よねぇ。ポイントもDまで溜まってるし、Gランク研修でとんでもない評価を受けたのね…15歳でこんなの見た事無い。かわいい上に強いだなんて反則だわっ! 少しでも長くアルバニア(ここ)に留まらせて見せるっ! 私の目の保養の為に!  ジン君に職業を覚えてと言ったら、彼はなんだか悩み始めた。目を瞑って思案しているようだけど、ちょっと困っているように見える。よっぽど職に興味が無いのだろうか。冒険者なのに。素直に覚えようとしてるトコもこれがまたカワイイのよ。  色々な規格外に、珍しさも相まってつい笑ってしまった。  また明日も来てくれるみたい。いつも言わないのに『いってらっしゃい』とか言っちゃったし。仕事の楽しみが増えたわぁ♪
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