第45話 原素

4/4
前へ
/1008ページ
次へ
「地図? ジン君まだ持ってなかったんだ。あるわよ~、ギルド特製の冒険者限定の地図が。ちょっと待ってねー」  そう言うと、ニーナさんが裏から3枚の地図を持ってきた。 「一番高いのがこの世界地図。世界中にあるギルドの粋を集めて作られたものよ。もちろん未開の地は載ってないけど、主要な都市国家は勿論、そこに至る街道やダンジョンの場所、遺跡とか冒険者にとって大事なスポットがもれなく載っているわ。因みに大金貨3枚になりまーす」 「大金貨3枚!? さすがに高いですね…と言うか、いきなり世界地図は不要かと」 「だ、だよねー…じゃあ、お姉さんがおススメなのはこれ。西大陸の地図よ! 世界地図より細かく村や街の情報が書かれているわ。それに冒険者さんが自分で色々書き込めるように作られているから、この地図が国を渡って広範囲に活動する冒険者さんに人気よ。因みにこっちは大金貨1枚です! これより小さな地図となると帝国東部と西部に分かれた地図かしらね。こっちは金貨2枚ですっ」 「では、西大陸の地図を頂きます。料金はバンクから引いておいて下さい」  そういって俺は真新しいギルドカードを渡す。 「了解よ。でもジン君、もう帝都を出ちゃうの?」 「すぐにという訳ではありません。まだまだ帝都で学べることもあるでしょうし、行き先も全然決まっていません。とりあえず地図を持っておかないと色々思案も出来ませんからね。しばらくの間、色々教えて下さいねニーナさん」 「そう! わかったわ、任せてよ! こっそり依頼も取り置くから、そっちの方もよろしくね♪」 「ありがとうございます。よろしくお願いします!」  真新しい地図とギルドカード手にして冒険者ギルドを出る。  明日からは依頼を積極的にこなしていこう。次の目的地を探しながら。
/1008ページ

最初のコメントを投稿しよう!

855人が本棚に入れています
本棚に追加