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第46話 黒竜飛来
(つい早く昇格して欲しくて単独のジン君にGランクさんを連れて行ってもらったけど、まさか狩猟を選ぶなんてなぁ…)
(でもゴブリンと一角兎はFランクだし、こないだ偶然遭遇したとか言って、パーティー推奨B級指定の暁大蛇を1人で狩って来た彼だもの…きっと大丈夫、よね…?)
アルバニア冒険者ギルド受付のニーナは、帝都に来て半年が経つ青年ジンと、冒険者ギルドに登録して間もないGランク冒険者ユーリの心配をしている。依頼はとても簡単な内容ではあったが、なにせGランクの者を伴うのはリスクが高まる。
彼女は中級者がいつかは通る道とはいえ、採取や護衛任務といった基本的に戦闘を伴わない依頼では無く、戦闘前提の狩猟依頼を受けると言ったジンの説得に失敗していた。
ランクFの依頼なので危険度は高くない、心配し過ぎも冒険者にとってよくない事だと、ニーナは自分に言い聞かせたがこれがなかなか難しかった。
「お気に入りのジン君の事になると、ほんっとダメね」
「だって、ユーリ君が怪我でもしたら、私がジン君のポイントを減らさなきゃなんないのよ!? そんなのムリっ」
「はぁ…じゃあその時は私がやってあげるから。そもそもゴブリンと一角兎でしょ? F級指定じゃない。そんなに心配する事無いってば」
「ううっ…」
同僚は呆れつつフォローするが、ニーナには響かないようだ。
そんなやり取りがなされる中、誰も予想だにしない緊急連絡が冒険者ギルドに響き渡った。
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