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「ユーリさん! そっちに1匹通しました! 最初に言ったように、ゴブリンは群れると厄介ですが単独の戦闘力は大したことありません! 狙いを定めて思いっきり槍を突き出して!」
「わ、わかった! うおぉぉっ!」
ドシュ!
Gランク冒険者ユーリの槍はゴブリンの喉元を貫き、ゴブリンを魔力核へと変えた。
「や、やった! やったぞジン君!」
「やりましたね、ユーリさん!」
ジンはCランクへの昇格を果たす為、Gランク冒険者のユーリを伴って帝都南西部の森に来ていた。
依頼内容はゴブリン10匹と一角兎10匹。当初採取依頼と思っていたユーリは、狩猟を選んだ同行者を訝しんでいたが、『狩は早いうちに経験しておいた方がいい』とジンが言うので、しぶしぶ同行していた。
ユーリはこれまでに三度、中級パーティに入って活動した実績がある。だが採取依頼しか経験しておらず、採取中に遭遇した魔物も同行したパーティだけで倒していたので、ユーリは魔物と戦ったことが無かったのだ。
ジンはユーリが倒した10匹目のゴブリンが落とした小さな魔石を拾い、布袋に入れる。
「それにしても君は僕より2つも下なのに本当に凄いね。どうすれば――って、何度も聞いたか…」
「鍛錬あるのみですよ! 最低1日1000回は槍を振って下さい!」
ユーリは最近冒険者になる為、近隣の村から帝都まで出て来た若者である。村の不作と魔物の出現が重なり、ギリギリの生活から親の負担を減らすべく、冒険者になる事を決意したという経緯がある。
最初は畑仕事で培ったこの身体があれば、ある程度はやっていけると思っていた。しかし、いざ魔物と戦うとなると恐怖で身体が動かない。年下にも関わらず、バッサバッサといとも簡単に魔物を倒していくジンを見て、自分の弱さを痛感していた。
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