第48話 功績

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 一通り話した後、部屋にユーリさんが呼ばれパーティーとしての活動報告に入った。一応俺がユーリさんの試験官という事になっているからその件だ。俺はユーリさんの採取の知識や体力、実際にゴブリンを倒した事などの評価点を次々挙げていき、Fランクへのアップを相当と認めた。 「―――では、Gランクのユーリ君はこれよりFランクへアップ、ジン君は特別功績者として、特例だが2ランクアップのBランクとします。実力も伴っているので、上級クラスでも何の問題も無いとの判断もあります。2人共、これからも頑張って下さいね」 『はい!』  その後俺とユーリさんは、受付でノーラさんに猛烈な感謝を受けながら、新たなギルドカードを受け取った。2ランクアップは予期していなかったが、まぁ別に困る事では無い。今度は銀のギルドカードになり、なぜか従来のカードの半分ほど、小指の半分程度の大きさになっている。 なぜ小さくなったのかと聞いてみたら、ギルドカードは戦闘中だろうが何だろうが、何時いかなる時も身に付けておくように、と言うのがギルドの方針なので、カードはなるべく小さなものが好ましい。  しかし、カードが小さければ小さいほど、組み込む魔法陣も小さくなって作成が難しいのだという。その分コストがかかるので、上級者にしか配布されないとの事だった。もちろん、機能としては従来のカードと何ら変わらない。  俺とユーリさんは冒険者ギルドを後にし、その後一緒に食事をする事にした。実はものすごく腹が減っている。向かった先は猫又亭。この半年、俺は金袋と睨み合いながら可能な限り通っている、初めて帝都にやってきた頃からのお気に入りの店だ。今日は報酬も入ったし、好きに飲み食いしてやろうと思う。
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