第49話 帝都出立

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 所変わってここはスルト村。  ジンが帝都を出立してから数日後の話である。 「貴方、帝都のギルドマスターからお手紙が来ていますよ」 「んぁ? なんで帝都から? どれどれ―――」  ロンは関りの無いアルバニアギルドマスターから突然の手紙を(いぶか)しみながらも、その手紙の内容を確かめる  ―――感謝状―――  ロン・リカルド   ジェシカ・リカルド  殿  貴殿らのご子息ジン・リカルド殿の一騎当千の働きにより  帝都アルバニアに飛来した黒王竜の討伐に成功致しました  さらにギルドの運動にご協力頂き多額の報酬を寄託されました  帝国の安全および冒険者ギルドの発展に寄与されたご子息の  功績は誠に多大であります  ここにジン・リカルド殿に王竜殺し(ドラゴンキラー)の称号を贈り  帝都民を代表し深く感謝いたします  アルバニア冒険者ギルドマスター  アイザック・ベルシュタイン 「な、なんだこれ? 黒王竜? 倒した…ジンが?」 「あの子ったら、またそんな無茶したのね」  その後、我に返ったロンはエドガーとオプトに知らせると、村は大騒ぎとなった。 「王竜殺し(ドラゴンキラー)だってよ!」 「まだ半年ぐらいじゃねぇのか? ジンが旅に出てから。」 「何かやる奴とは思ってたけど、帝都で英雄になりやがった!」 「スゲーなジン!」 「なぁ、オプト」 「んー?」 「俺達の息子はやっぱとんでも無かったな! がっはっは!」 「だなー。もう訳わかんねぇよ。黒王竜倒すって…この短期間でどんだけ強くなってんだあいつ」  思い思いに皆ジンを懐かしみ、称えている。  そんな中、ロンとジェシカは心配でならなかった。 「嬉しいような、怖いような」 「そうですね。帝都の人達を守った事は誇らしいですが、きっと大怪我を負ったに違いありません」  これからもジンは何を成しても両親に心配されるのかもしれない。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 第三章帝国中央編はこれで終了です。 次話、挿話を挟んで第四章帝国西部編に入ります。 今後ともよろしくお願いいたします。
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