855人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇオルガナぁ~」
「なぁに~ ミコトちゃん」
「気持ちよすぎない? これぇ~」
「露天風呂ってすごいね~」
「これを私たちに邪魔されたんだねぇ~ジンが怒っても無理ないねぇ~」
「そうだねぇ~」
少し熱い温泉と、森を揺らす涼やかな風が頬を撫で、さっきまで魔獣に追いかけられ大騒ぎしていたのとは一転、木の葉が擦れ合う音までも心地いい。これが露天風呂かと予想外の気持ちよさにトロけながら、ミコトとオルガナは不思議な同年代の冒険者、ジンについて話していた。
「何者なんだろうね、ジンって」
「最初あんなんだったからちょっと怖かったけど…今は優しい人だと思うなぁ」
「たしかに。失せろって言われた時は怖かったね」
「あんな魔法見た事も聞いた事無いよ。でも凄い魔力を放ってたのは確かだよね」
「正直ちょっと興味湧いちゃったなぁ、あたし」
「魔法の事教えてくれないかなぁ。多分だけどすごい魔法師だよ」
2人は顔を見合わせて頷く。
どう見てもジンはソロの冒険者。
どこかは分からないけれど、彼の目的地まで皆で一緒に付いて行こう。何ならパーティーに誘ってみよう。そう決意するミコトとオルガナであった。
最初のコメントを投稿しよう!