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「だって2月だよ?これくらい着なきゃ風邪引くって」
加地くんはあれから何も言ってこない。
あたしの気持ちを急かすようなこともなければ、先生のことを聞いてくるようなこともない。
それでも、ちゃんと想ってくれてるっていうのが伝わってくる。
「だってどうせ白城の家だろ?」
「行きと帰りが寒いでしょ?」
「まぁ、そうだけど」
あたしからちゃんと言うまで加地くんは待ってくれてるんだと思う。
少しずつ加地くんを見ると言ったあたしの言葉を信じて、待ってくれてる。
「加地くん」
先生と別れて3ヶ月が経った。
話さなくなって3ヶ月が経った。
目が合わなくなって3ヶ月が経った。
その間、ずっと傍にいてくれたのは他でもない加地くんで。
「もう少し、待ってね」
あたしが別の人を見てるって分かってるのに、それでも待つって言ってくれた。
「あたし、卒業式の日にちゃんと先生と話してくるから」
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