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小さなピンクの花束
いつもと違う雰囲気の生徒と教師。
いつもはラフな格好の先生も中村さんも、今日ばっかりはスーツを着てた。
卒業式ってだけなのに、こんなにも雰囲気が変わるんだ。
泣いてる生徒や教師もいれば、それを慰める人たちもいる。
やっぱり卒業式って、いくつになっても感動するもんなんだよね。
…終わりだもんね。
終わり、なのに。
久しぶりに会った先生は、やっぱりあたしとは目を合わせてくれない。
だから、中村さんはほんとにあたしが先生と話したいってことを伝えてくれたのかな、なんて不安になった。
「終わっちゃったね」
「…そうだね」
卒業生が全員退場し終わると、梨花が近寄って来て涙目で言った。
卒業式がこんなにもあっけなく終わってしまうものだなんて思わなかった。
ただ、やっぱり終わってしまうのはさみしいものだ。
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