小さなピンクの花束

2/11
前へ
/367ページ
次へ
「早かったなー」 「あ、シロも泣いてる」 「泣いてねぇし!」 少し目を赤くしたシロと、いつもと変わらない加地くんが後ろからポンとあたしと梨花の頭を撫でる。 「ねぇ、このあとクラス会あるらしいけど、どうする?みんな行くの?」 「俺行こうと思ってた。加地と咲良は?」 クラス会… 行けるかな。先生と話した後、何もなかったような顔でみんなに会えるかな。 「咲良このあと用事あるんだよな?」 「えっ…あ、うん」 加地くんに突然そう言われて、戸惑いながらも頷いた。 「そっか。加地くんはどうするの?」 「俺もちょっと用事あるから。でも終わったら行くかも。」 「何だよ加地もかよ。まぁいいや、じゃあ高橋一緒に行こうぜ」 加地くんの用事ってなんだろう。 あたしが先生と会うことを知っておきながら、それを気にせずに他のところに行くような人じゃない。 きっと今だってそれを気にしてるし、不安だと思う。
/367ページ

最初のコメントを投稿しよう!

134人が本棚に入れています
本棚に追加