小さなピンクの花束

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戻ってこないかもしれないあたしを放って、クラス会なんて行けるかって、加地くんはそんな顔をしてた。 すごく待ってもらったんだ。 もしかしたら加地くんは、先生と会うあたしと同じくらいドキドキしてるのかもしれない。 「…この前、信じて待ってるとか言ったけどさ…」 また窓の外に視線を戻した加地くんは、小さな声で言った。 「もし気持ちが変わったら、無理にここに戻ってこなくていいから」 気持ちが変わったら。 先生に会って、話して、やっぱり加地くんとは付き合えないって思ったらってことでしょ? 加地くん、そんなこと考えてるの? 「蓮くんのとこに戻りたいなら、それでもいい。俺に気遣うな。」 「加地くん…」 「気遣われる方が辛いから」 何で、加地くんにこんなことを言わせてしまってるんだろう。 きっとこんなこと言いたくないはずなのに、あたしが言わせてるんだ。
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