133人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺すげー幸せ。」
「んふふ、よかった」
これから先、先生とのことを加地くんと笑って話せるようになるから。
加地くんがこれからもずっと幸せだって思えるように、あたし頑張るから。
「行くか、クラス会」
「うん、そうだね」
手に持った花を見ても、もう何も言わないのは加地くんの優しさ。
メッセージカードを見つけても、それに触れないのも加地くんの優しさ。
置いていけたらきっと、加地くんはもっと喜んでくれるんだろう。
だけどきっと、加地くんが置いていけと言ってもあたしは、これを手放したり出来ないんだ。
人がいない校内を、加地くんがあたしの手を引きながら歩く。
あぁ、あたし意外と大丈夫?
やっぱり会わないのが正解だったのかな。
先生はもしかしたら、いつまでもあたしが先生ばかりを見ないように、わざと来なかったのかもしれない。
前に進めってことだろう。
だったらやっぱりあたしは前に進まなきゃならない。
最初のコメントを投稿しよう!