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シオン【追憶】
鬼ごっこの 長い影
紡ぎ出す瑞々しい言葉
萌ゆる緑の木々に 薫風は葉音を鳴らす
突然の雹から 母は私を庇い
大きな木の根元に駆け寄る
たったそれだけの幼い日の一頁
鳴き止んだ蝉の声
淡い紫の花を 手折り千切る花びら
わかっているのに未練がましき 花占い
最後の花びらは キライ
千切らず放り出して 石段を登り
困った時の神頼み
戻りたくなる 母に守られていたあの頃に
花占いの結果が当たる度 泣きながら胸に飛び込みたくなる
鬼ごっこの長い影
人生は長い 鬼ごっこ
追って 追われて
私はいつまで 鬼でいればいいのかしら
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